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澤昭裕『精神論ぬきの電力入門』

精神論ぬきの電力入門 (新潮新書)精神論ぬきの電力入門 (新潮新書)
(2012/08/14)
澤 昭裕

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タイトル通り、精神論や根性論を排して、客観的データから電力政策の現実的な選択は何かを論じた本。

出版されたのが2012年半ばですが、当時マスコミ等で言われていた「常識」に挑戦した部分は、評価できるところだと思います。
例えば、「本気で取り組めば自然エネルギーでやっていける」と、今でも主張している人達がいますが、いまだにお話しにならない状況です。当時先駆者のように言われたドイツもそろそろ離脱の気配ですが、2011-2年にはあれほど騒いだマスコミは、今は全くのスルーですね。
「発送電分離すれば料金は下る」なんていうのも、実際行った諸外国を見れば、ケースバイケースであることは明らかです。こちらもいまだにマスコミはちゃんと報道しませんけど。
こんなところはこの本では否定されています。

一方「経済的には原発は有利」と著者は主張していますが、政府から注ぎ込まれている莫大な補助金のことを加味しても本当にそう言えるのか?というのは少々曖昧な書き方。
そういう意味では、「客観的なデータ」も無条件に受け入れるのは危険です。

この本で論じている電力政策については、残念ですが、「経済」「安全」「環境」などは両立・並立しない、というのが「精神論ぬきの」結論のように私には思えます。

そして今は「どうしたいか」を選ぶ局面ではないでしょうか。

つまり、「環境、安全のために電気代Upは覚悟する」のか、「安い電気代のために安全リスクを覚悟する」のか、「節電続け、莫大な金をつぎ込んで再生可能エネルギーの開発を行う」のか。
どれを選んでも正解ではないし、どれを選んでも間違いではないでしょう。結局のところ意志の選択です。

そんなこんなを考えるとき、こういう本も役立ちます。

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