フランク・シェッツイング『深海のYrr』


深海のYrr 〈上〉  (ハヤカワ文庫 NV シ 25-1)深海のYrr 〈上〉 (ハヤカワ文庫 NV シ 25-1)
(2008/04/23)
フランク・シェッツィング

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深海のYrr 〈中〉  (ハヤカワ文庫 NV シ 25-2)深海のYrr 〈中〉 (ハヤカワ文庫 NV シ 25-2)
(2008/04/23)
フランク・シェッツィング

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深海のYrr 〈下〉  (ハヤカワ文庫 NV シ 25-3)深海のYrr 〈下〉 (ハヤカワ文庫 NV シ 25-3)
(2008/04/23)
フランク・シェッツィング

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メタンハイドレートを掘り続けるゴカイ、船を襲い始めるクジラやオルカ、猛毒クラゲの出現……破壊された自然の逆襲・怒りのエコロジー礼賛小説かと思いきや、パニック、国家陰謀を経て、宗教と人間の存在の考察に至るという、お話。
え?全然わからない?ネタバレを避けつつ書くと、このあたりが限界なんです、すいません。とにかく話はどんどん転がって、どこへ行き着くんだ、これ?と思いながらどんどん読めてしまいます。

ただ、最後の宗教の考察は、なかなか一般的な日本人にはピンと来ないかも。どうしてこれが小説の最後に来るのか、どうしてここにこだわるのか(作中にも時々こだわりが見えるし)。私には、頭では理解できても肌では感じられませんでした。こんなところが異文化なんだなぁ、と思ってみたり。

元々はドイツで出版されたもので、かの国では長い小説が好まれるそうですが、とにかく長いです。堂々の上中下三冊セット。米国の作家なら恋愛部分を1/4にして、パニック部分を1.5倍にして、二分冊というところでしょうか。
米国人の描かれ方は少々酷い。いくらなんでもこんなCIA副長官や軍司令官はいないでしょう。押し付けがましい米国流世界秩序への欧州人の反発でしょうか。映画好きの作者(作中に映画のことが何度も出てきます)が最終巻に空母インディペンデンスを登場させるのは、ハリウッド流 異星人侵略・殲滅映画「The Independece day」への皮肉かも。
皮肉といえば、ハリウッドで映画化が計画されているというのも、まさに皮肉かも。米国人の描き方、どうするんだろう??勧善懲悪アクション巨篇になってしまうのかしらん。
あと、別に日本人はみんな両手を上げて捕鯨に賛成しているわけじゃありませんので。昔は鯨は安価な動物タンパク源でしたが、今更鯨を食わないと飢えて死ぬ人は日本にはいないでしょう。だいたい今や鯨は高級品、貧乏人には食えません。私はもう捕鯨はやめちゃってもいいと思うけど、あの反捕鯨団体って奴のやり方がねぇ……あれらが「自分たちのおかげで鯨が守られた」なんて言うかと思うと、素直になれないんですよねぇ……ここも異文化コミュニケーションでしょうか。

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