高木敦史『“菜々子さん”の戯曲 Nの悲劇と縛られた僕』

“菜々子さん”の戯曲  Nの悲劇と縛られた僕 (角川スニーカー文庫)“菜々子さん”の戯曲 Nの悲劇と縛られた僕 (角川スニーカー文庫)
(2010/07/31)
高木 敦史

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事故のため、音は聞けるが目は見えず、病院のベッドで寝たきりで、声を出したり体を動かしたり出来ないため、外へは何も意思表示が出来なくなってしまった僕。そんな僕を“奈々子さん”は毎日見舞いに来る。
日常の他愛ない話を一方的にしていく彼女だったが、事故から三年が経ち、突然「事故」について語りだす。彼女は何のために話し始めたのか?そして彼女の話の行く先は?
第13回 学園小説大賞 優秀賞受賞作。

“奈々子さん”が語る話と、それに触発されて僕が思い出す事故前の学校生活が、交互に描かれます。
スニーカー文庫ですので、いわゆるライトノベルというジャンルのものです。

ライトノベルとしては変わった題材・ストーリィかもしれませんが、一般のエンタメ小説としては、それほど突飛なものでもなく、正直目新しいところはありません。この類の話は、主人公の状態によって取り得るストーリィの幅が決まってしまうのですが、本作の場合、主人公はかなり制限がきつい方ですからストーリィの選択肢も少なく、本作でも、ある意味予想通りの帰着となりました。
作者が自覚して行ったならばいいのですが、無自覚でしたら、随分難しい道を選んだねぇ、というところ。

また、(作品の善し悪しとは別に)作中に出てくるエピソードの軽重の感覚が違うんだなぁ、と思いました。「こっちより、そっちのエピソードの方が大事なわけ!?」と意外に思うこともしばしば。作者の年齢がわかりませんが、これは年齢層の違いなんでしょうか。それともこの作者と私の感性の違い?

論理の展開などは、モタモタ感があってピンと来ませんでした。もう少しスッキリ書いてもいいんじゃないでしょうか。
難しい(意外性を狙えない)ストーリィの割には健闘したとは言えますが。

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