FC2ブログ

海堂尊『ブラックペアン1988』


ブラックペアン1988(上) (講談社文庫)ブラックペアン1988(上) (講談社文庫)
(2009/12/15)
海堂 尊

商品詳細を見る


ブラックペアン1988(下) (講談社文庫)ブラックペアン1988(下) (講談社文庫)
(2009/12/15)
海堂 尊

商品詳細を見る


1988年、佐伯教授率いる東城大学総合外科学教室に、新兵器を手土産に帝華大から乗り込んだ高階講師。曲者が揃う大学病院の中で高階はどう泳いでいくか、というお話。
後の『チーム・バチスタの栄光』の登場人物たちの若き日が描かれます。

まずは、最早このシリーズ恒例とも言える苦情「このページ数で二分冊はないだろう」。上下巻合わせて400ページほどです。内容が大きく分かれるならばともかく、普通一冊で出すでしょう。
と思ったら、この本、講談社です。毎度おなじみ文句を言っている『チーム〜』シリーズを出版しているのは宝島社。
なんだ講談社、お前もか。
今は「新装版」として一冊でも出しています。

『チーム〜』に連なる話ではありますが、特に連携はありませんので、独立した話として読めます。
ストーリィは、デフォルメされ、カリカチュアライズされています。
作者によれば、実際にこの時期に体験したことを基にしたそうですが、経歴を考えれば、もっとリアルに書くこともできたとは思いますが、大人の事情でむしろリアルには書けなかったのかもしれません。リアルに書いて本当に大学病院がこうだったら、相当嫌だなぁ(^^;)

ちょっと気になったのは、少々専門的なことが既知の事として扱われていること。
タイトルの「ペアン」って何?という私には、最初、黒いペアンが何を意味するのかすぐに分かりませんでした。同じくリークがどうして発生するのか(つまり技術的に難しいということ)も、ちょっとしか触れられていなかったので、新兵器「スナイプAZ1988」を使う意味もピンときませんでした。
まぁ、調べればいいことなのですが、そこまで(わざわざ調べてまで)して読んでもらうことを読者に期待されてもねぇ……

煽りには「超医学ミステリー」とありましたが、ミステリーではありません。技術を持っている自負がある故、少々天狗になっている若手に、老獪なベテランが教訓を垂れる、という話です。
細かなところの引っ掛かりはあったものの、通しては楽しく読めました。

スポンサーサイト