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道尾秀介『向日葵の咲かない夏』

向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)
(2012/07/01)
道尾秀介

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夏休みの始まる終業式の日、欠席したS君の家へプリントを届けに行った小学生の僕。そこではS君が首を吊って死んでいた。一週間後、S君は姿を変えて僕の前に現れ「殺されたんだ」と訴える。S君の無念を晴らすため、夏休み、僕は真相を追い始める……

と、ストーリィを書き出すとミステリィですが、出てくる人達は何となく変です。姿を変えたS君は勿論のこと、先生も、僕の母親も、妹のミカも、そして僕も。
サイコホラーとミステリィが程よく融合した話です。恐怖要素は大きくありませんが、その分ミステリィ面を誤魔化したりはしていません。
最後の辻褄を合わせる意味でも、小学生よりは中学生くらいの設定の方がよかったような気もします。
作者の話は、
道尾秀介『カラスの親指』
を読んだだけですが、これとは随分趣が違います。ホラーサスペンス大賞特別賞でデビュウ後の一作目だったからかもしれません。
そういえば、主人公の『ミチオ』は作者の名前(姓と名の違いはありますが)から来ているでしょうか。

大昔、ある新人賞の選評に「小さな子供が死ぬ話は好ましくない」と書かれていたのを読んで「言いがかりに近いな、これ」とか思ったものですが、私は子供はいないのですが、最近この時の評者の気持ちがわかる気がするようになりました。
この話も、個人的にはあまり好きなタイプの話ではありませんでしたが、よく出来ていると思います。

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