客観データに騙されるな

最近、データを集めて分析するという仕事が多いためか、一見、ほかに解釈のしようのないはずの客観データに(作為か無作為かは別として)実は騙される(間違える)、というのに敏感になっています。
例えば、

男性タレント人気度上位50|ビデオリサーチ
(後述しますが、ビデオリサーチ社は騙そうとして、このデータを出しているわけではありません。ただちょっと誤解する人はいるかも)

流石にリストに「あんた誰?」と思うような人はいませんが、でも「この人より、この人の方が上なの?」と疑問に思わないでもない。
まぁ、そこは個人の感じ方ですから何とも言えませんが、例えば街角で「好きな男性タレントを一人挙げてください」と訊かれて「阿部寛」と私は答えないなぁ……と思ったことは事実。嫌いじゃありませんし、どちらかと言うと好ましい方ですが、街のアンケートで咄嗟に名前が出てくるとは思えない。
でもこの調査によると、50%を超える人がそう答えている。
そんなに人気があるんだ阿部ちゃん、1位だもんね、へーっと思って見ていくと、最後に変な記述を発見する。

「※ 新規調査対象タレント」

よく見ると、鈴木福、上田晋也に※が付いている。文字通り読めば「※が付いているタレントは、今回から調査対象にしたタレントです」ってことでしょう。
つまりこの調査には、調査対象タレントと、対象外タレントがいる、ってこと。対象外なら、いくら人気があっても、ここには出てこない、ってこと。
鈴木福はいつ人気が出たか記憶にないけど、上田晋也は随分前からいるだろうに、今頃対象かい。なんだよ、ひどいなぁ、これじゃ、対象タレントリストがないと、本当に阿部ちゃんが一位かどうかわからないじゃないか(対象外で人気者がいるかも)、とか考えているうちに、根本的な勘違いに気付く。

これ、タレント人気ランキングじゃないんだ。
こうやってランキング形式にされると、いかにも「人気者第一位は阿部寛で、第二位はイチロー」に見えてしまうけど、
この調査・統計の目的は「男性タレント人気ランキング作成」というものではなく
「××さんを好ましく思っている人がどのくらいの割合いるか」という調査なんだ、と気付く。

これ、似て非なることです。

「人気のある男性タレントランキング作成」という調査ならば、白紙を渡して「すいませーん、今、好きなタレントの名前を書いてください」と訊きます。
一方「××さんの人気はどのくらい?」という調査ならば、タレントリストを印刷した紙を渡して「好きな人には○、嫌いな人には×、どっちでもない人には△をつけてください」となります。
なるほど、リストを渡されれば、半分の人が阿部ちゃんに○を付けても不思議ない。私も○すると思うし。

これからCMを打とうとする企業(つまりはビデオリサーチ社に調査を頼みそうな会社)が気にするのは、
そのタレントの人気の過熱度合い(順位)ではなくて、
そのタレントがどのくらい(浅くてもいいので)広く認知されていて、(出来れば)支持されているか、逆にどのくらい(広く)嫌われているか、
でしょう。
CM制作費を考えても(お金なくてそんなに頻繁にCMを作れない)、半年毎に変わっていく一番人気タレントを追い続けるようなことはしないでしょうからね。

同じ様な内容でも調査方法でデータは変わるし、同じようなデータでも使い方を間違っちゃいけないよ、というわけです。

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