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建倉圭介『デッドライン』

デッドライン〈上〉 (角川文庫)デッドライン〈上〉 (角川文庫)
(2007/11)
建倉 圭介

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デッドライン〈下〉 (角川文庫)デッドライン〈下〉 (角川文庫)
(2007/11)
建倉 圭介

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第二次世界大戦末期、日系二世のミノルは日本への原子爆弾投下の情報を知り、日本行きを決意、北へ向かう。それを察知して追う米軍。ミノルは日本へ辿りつけるか、というお話。

今一歩乗れなかった。話のスケールや展開など悪い感じでは無いのだけれど、今一歩。
内容に比べて上下二巻というが長過ぎたきらいはある。文庫本では裏表紙に話の掴みが書かれていることが多いが、その内容だけでほぼ上巻分くらいの分量になってしまっている。つまりイントロが長過ぎ。
結局のところ主人公は、色々な理屈は付けているが、周りの彼を信頼した人達も含めて裏切ってしまうわけで、それを彼の中ではどう折り合いをつけているのかがわからない。
何かに突き動かされて調べた結果原爆が出てくるわけですが、何でそこまでこだわって調べるの?というのも伝わってこない。
何より主人公の行動が間抜け&能力不足。そんなことしたら疑われるだろう?と思うような方向へ方向へ行動してしまう。自分を窮地に追い込んでるだろう、としか思えない。主人公が自力で切り開く、というより、何故か人のよい他人が切り開いた道に乗っかってしまう、ということが多い。最後の日本政府に渡りをつけるところまで自力では突破できない。
人種差別の位置づけ・描き方もいまいち意図がわからない。まさか「頑張って頑張って欧州戦線にまで行ったけど、やっぱり米国人はひどいことをするので裏切りました」と言いたい訳ではないだろう。実際日本側だって人種差別については褒められたものじゃないのだし。

一言で言えば、主人公が好きになれなかった、ということかな、これは。
特に前半でそこにひっかからなければ、後半は面白いと思いますけど。
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