清原なつの『花岡ちゃんの夏休み』


花岡ちゃんの夏休み (ハヤカワコミック文庫 (JA840))花岡ちゃんの夏休み (ハヤカワコミック文庫 (JA840))
(2006/03)
清原 なつの

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読書家の女性 花岡数子と、一見アホだけど「悪魔のように頭の切れる」ハゲの箕島の出会いの話『花岡ちゃんの夏休み』を含む七篇からなる短編連作集。少女漫画です。

収録されているのは、三十年以上前に「りぼん」に描かれた話。当時の りぼん風の絵柄で、今となっては少々(おっさんには)きついですね。人物の書き分けも出来てないし、ストーリィも典型的な恋愛少女漫画ですし。
ただ、妙なベタベタさが少なくて、ちょっとクールなところが、この作者の魅力です。
ノー天気に男を追いかける美人の友人に、主人公が、
「何か悩みはないの?どうして人類はこの地球に存在するのか?とか」
なんて、皮肉と自己満足を込めて言い放ったところ、
「その問いに答えはないわ。何のために生きるか課題が与えられていたら、あなたはその通りに生きるつもりなの?」
と切り返されるなんて、見事で素敵です。
この割り切り方は、作者が理系だからでしょうか。なんて書くのは理系の身贔屓です。

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萩尾望都『モザイク・ラセン』


モザイク・ラセン (秋田文庫)モザイク・ラセン (秋田文庫)
(1998/11)
萩尾 望都

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はい、漫画です。巻末の初出一覧によると『プリンセス』掲載だから、バリバリの少女漫画ですね。
たぶん私は、男が少女漫画を読み始めた第二世代と思いますが、それでも周りにはそんな人はいなくて、少女漫画を読む事もずいぶん からかわれたので、いまだに少女漫画について書く事は身構えてしまいます。

この本(秋田文庫版)には『モザイク・ラセン』『ハワードさんの新聞広告』『きみは美しい瞳』の三篇が収録されています。それぞれ1982年、1974年、1985年発表ですが、とても一人の作者のものとは思えないほど作風が違う。これで一冊作るなんて、構成・内容とか全然考えてないでしょう、秋田書店 :-)
『百億の昼と千億の夜』以降、萩尾望都は画風がずいぶん変わってしまって、当時はそれがどうも好きになれず、あまり読まなくなってしまいました。この話はそんな時期のものなので未読でした。
30年以上経って、こちらの好みも受け入れ許容範囲も変わって、画風に関しては難なく読めてしまう。むしろ昔は大丈夫だった『ハワードさんの新聞広告』の方が気恥ずかしい。『きみは美しい瞳』は作品前半はまだちょっと抵抗感、後半の画がこなれた後はOK。

で、『モザイク・ラセン』ですが、25年以上前の話ですが、今でも充分楽しい。
小さな頃から夢に出てきた男の子が現実に居て、会った途端に一緒に異世界に飛ばされて‥‥というお話(大幅省略)。
分類すればSFとなるでしょうが、解説(和田慎二氏)にも書かれている通り、ファンタジーというか童話というか、そういったものだと思った方がいいか。
ま、ラブコメ風味が中年男には、背中がかゆくなるところではありますが。
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