スティーグ・ラーソン『ミレニアム2 火と戯れる女』



前作でリスベットに痛い目にあわされた後見人ビュルマンは、リスベットに復讐すべく策を練る。
一方ミカエルは、ジャーナリストのダグがすすめる人身売買と強制売春の調査を雑誌『ミレニアム』で特集すべく奔走する。
いつしかそれが絡みあって、リスベットに殺人の容疑が……というお話。
『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』の続編。

長い。長過ぎる。途中あまりにも話が動かないので読むのを止めようかと思ったくらい。いまだに、最初のリゾートライフは要らなかったのでは?と思ってしまう。これ、あとにつながってましたっけ?
続編なので前作は読んでおいたほうがよいかもしれませんが、読んでなくても楽しめないわけではありません。ただ、読んでないと消化不良っぽくなってしまう(例えば、ビュルマンはなぜここまで執拗に復讐したいのか、リスベットはなぜここまで執拗に叩きのめしたのか、たぶんわからない)し、読んでいると「こんな関係の伏線ってあったっけ?」と気になってしまう。話が進むにつれて、リスベットの過去が明らかになっていくのですが、前作を読んでから随分たってしまったこともあって、伏線があったかどうかもピンと来ない。

殺される人は意外ですが、ストーリィそのものはそんなに意外でなく、まぁ収まるところに収まりましたねぇ、というのが正直な感想。この話だけでは取り立てて高評価というわけにはいかないかも。
前半は「この調子なら三作目は読まないな」と思ったものが、後半で「次も読んでもいいかな」に変わりました。
そうすると、前作を読んでキャラ萌えした人が読む話かもしれません。

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スティーグ・ラーソン『ミレニアム1ドラゴン・タトゥーの女』


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ジャーナリストのミカエルは、大物実業家の違法行為を暴く記事を書くが、それが全くの間違いだったため名誉毀損で訴えられ窮地に立っていた。
同じ頃、古い大企業グループの前会長ヘンリックは、ドラゴンのタトゥーを彫ったフリーの調査員リスベット・サランデルに、ミカエルの身元調査を依頼していた。40年ほど前に起こった兄の孫娘ハリエットの失踪事件をミカエルに調査依頼するためだ。
ミカエルと彼の名誉回復、リスベットと彼女の立場、ハリエットの失踪の真相と調査が絡まり合って、進んでいくお話。

ベストセラーになり映画にもなりました。スウェーデン産の小説です。中々長い。
タイトルからトゥームレイダーのララ・クロフトみたいな女性が縦横無尽に大活躍、みたいなものを勝手に想像していましたが、かなり違いました。主人公その1のミカエルは結構甘ちゃんだし、主人公その2のリスベットは社会不適応タイプ。もう少し社会性があれば、もう少し困難なく解決が早まるのに、と思わないでもない。
ハリエットやリスベットに起こることは、何とも陰惨で、ここまで追い込まないでもいいだろうにと思う。ここらへんは作者のトラウマが反映しているらしい。
失踪部分のミステリー的な説明は杜撰と言ってもよいかも。ハリエットの行動動機などもちょっと説明が弱いかな。ただ、失踪事件のオチは中々意外ではあります。

作者はテクノロジー好きなのか、コンピュータについて結構細かなことが書かれています。CPU名とかグラフィックスボードとか搭載RAMやHDDの容量とか。でも「960MBのRAM」って変じゃないですかね?512MBか1GB、少々苦しいけど768MBとかならまだ分かるんですが。
それに、こういうものって時間が経つと陳腐化が激しい。PowerPC7451とか、ハイビジョンに届かない解像度とか。リスベットが「魅きつけられた」と具体的に仕様を書けば書くほど、古臭く感じる。書かれてからたった8年しか経っていない話なのですが。
リスベットが駆使するハッキング技術は「空想的」と思えるかもしれませんが、実は、荒唐無稽というほど実現性がないわけではありません。仕組みは若干違いますが、同様のことを実際研究している人達が実在します。ただ、ここ数年の世の中の変化の結果、『実用性』が低くなりました。

少々陰惨なところがあるのですが、楽しめました。シリーズ第二部『火と戯れる女』も準備済み。

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