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喜多喜久『ラブ・ケミストリー』



有機化合物の合成ルートが思い浮かぶという特殊能力を持っている藤村。その能力が恋をした途端に失われてしまう。
ショックを受ける彼に、死神を名乗る少女カロンが現われて、失われた能力を取り戻すという。
その「能力を取り戻す」方法とは……というお話。
第9回『このミス』大賞優秀賞受賞。

うーん。
そもそも「有機化合物の合成ルートが思い浮かぶ」というネタが地味。
いえ、これ、凄いことなんです。凄いことなんですけど、凄いことがわかるのは、このようなことに触れたことがある人だけで、なかなか素人にはわからないことでは。
加えてネタ的にオリジナリティと呼べるのはこの一点と言っても過言ではなく、結局その能力の凄さを示すチャンスも殆ど無く、最後のお話のまとめ方も……

残念でした、ということで。

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中山七里『さよならドビュッシー』


さよならドビュッシー (宝島社文庫)さよならドビュッシー (宝島社文庫)
(2011/01/12)
中山 七里

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ピアニストを目指す遥。祖父や従姉妹と一緒に火事に遭い、全身大火傷を負う。それでも生きるために厳しいリハビリを行ない、再びピアニストを目指すことに。そんな中、不可解な事故が続き、遂に殺人事件が。遥はコンクールに入賞できるか?起こる事故、殺人の犯人は? というお話。
第8回『このミス』大賞受賞。

解説に大森望氏も書いてますが、スポコンものです。いや、本当に。
学友の意地悪とか、ライバルの口撃なんてベタすぎて、なんだよこれって感じ。唐突&短すぎて、むしろ出さなくてもよかったのでは?ライバルは、もう少し前から出して解決への布石に出来たと思うんだけど。

ちょっと構成が雑でしょうか。ネタバレになってしまうので具体的には書けませんが、例えるなら、「駅員なのに改札を通ったことがない」というのは、おかしい。調べてみると、実は消防士が駅員に化けてました、と言われて「なーるほど、消防士だから改札通ったことないのね」と納得できます?それ変でしょう。
出てくる事故や事件の動機も短絡的で、いい大人がこんな事しないだろう、という感じなきにしもあらず。最後の事件の犯人は、それは確かに意外でしょうけど、良い人が良い人を必要もないのに殺してしまったようで、何か割り切れないものを感じました。

面白くないわけではないのですが、何か、残念です。